はてなブログの自動広告の非表示問題に見るインフラエンジニアの悲哀
最終更新日)2018年5月31日
はてなブログにGoogle Adsenseの自動広告が表示されない問題
はてなブログにGoogle Adsenseの自動広告が表示されない問題がありました。
この記事は結構な反響があり、今も検索流入がとても多いのです。
Google Adsenseの自動広告というお金が絡む問題なので、目が$マークになっているタイプのはてなブロガーさんが目の色を変えて検索しまくっている結果でしょう。人間の業の深さを感じます。
さて、この記事だけが多く読まれることで、当ブログの直帰率はもう焼けの原です。
この問題は今も解決していませんので、上記記事には根本的な解決策はまだ提示されていません。調査中の案件だから当然です。
ここから当ブログの別記事にうまく誘導できれば良いのでしょうが、彼らの目的は広告収益によるお金なので、自らの利益にならないことには全く目もくれません。せめて、Amazonや楽天で何かお買い物でもしていってくれればうれしいです。
さて、現在の状況はと言うと、はてなブログ運営側にこちらからの質問を投げかけている状態です。僕もインフラエンジニアとして活動していた期間が長かったので、はてな側のエンジニアも確認しやすいようにポイントをまとめて質問しているのですが、依然、有効な回答が得られていません。
はてなのインフラエンジニアの質は?
僕が今、はてな側に投げかけている質問は、Google Adsenseのクローラエラーで
「ホスティングの問題: サーバーの過負荷」
というエラーが出ていたので、はてな側のサーバでそういったサーバ過負荷の事象が(1)あったか?(2)なかったか?の単純2択での質問なのですが、1週間近く回答がありません。
元インフラエンジニアから言わせてもらえれば、これはすぐに回答の出る内容です。
というのも、通常、サーバを運用するために監視ツール(有名なものではSystemwalker(富士通)やJP1(日立) )などを導入しており、サーバが過負荷状態になれば監視ツールがそれを検知し、アラートが即座に上がるようにしています。
このアラートを受けて、問題切り分けを行い、アプリケーションの問題か、インフラの問題かを判断し、それぞれのエンジニアが対応するはずです。
はてなのサーバ構成や運用監視体制がどのようなものかわかりません。しかし、今回僕が投げかけた質問はそのようなアラートログがあるかないかを見るだけで解決する問題のはずです。その回答が得られないと僕はいつまでも問題の切り分けができず、先に進むことができません。
もし、はてなサーバの問題でないとすると、僕のブログのコンテンツが重すぎて、リクエストタイムアウトを個別に起こしている可能性があるからです。しかし、同事象が他の人でも発生している状況を鑑みると、今回はサーバ(ハードウェア)の問題では?というのが僕の見立てです。
もしかしてインフラエンジニアが足りない?
この対応について、文句をつけるのは簡単ですが、それでは何の解決にもならないのでいろいろ考えてみます。
仮説1 インフラエンジニアの人員不足
僕はこれが濃厚なのではないかと思います。ただでさえ、はてなブログはSSL対応などが遅れています。ブログサービスが停止していない以上、個人顧客のサーバ過負荷うんぬんの問題は優先度を下げられている可能性があります。
だとすればそもそも突発障害に対する人員配置不足ではないでしょうか。
ちなみに僕ははてなProで契約しており、1,080(円/月)を支払っています。
はてながインフラエンジニアを外注していると仮定した場合、首都圏のエンジニアはどんなに技術力のない、単価の安いエンジニアでも80(万円/月)は必要です。
その場合、1日あたりの単価は1月を20営業日と計算すると
80 ÷ 20 = 4(万円/日)
さらに、1時間あたりの単価は1日の労働時間を8時間とすると
40,000 ÷ 8 = 5,000(円/時間)
となります。つまり、僕が毎月払っている利用料を原資に障害対応しようとすると、10分ちょっとで解決しないと割に合わなくなります。
まぁ僕の払っている利用料がすべて障害対応や問い合わせ対応の費用として使われているわけではないので、かなり乱暴な計算ですが。
これを考えると、はてなProの利用料は安すぎるのでは?という疑問が湧いてきます。僕もエンジニアの端くれ、「金払ってるんだからあれもこれもやれ!」というような僕の顧客のような輩みたいなことは言いません。
きちんと問い合わせに対応できるだけの体制を整えてください。そのためには利用料の値上げが必要であれば文句を言わずに支払います。
かといって値上げすると競合サービス(レンタルサーバ+Wordpressなど)に勝てないのでギリギリの値段設定なのかと。でもそれでサービスの質が低下するのであれば本末転倒です。
仮説2 はてな側ですでに問題を認識しているが、費用対効果に見合わない可能性
これはあまり考えたくありませんが、仮に問題の根本がはてな側のサーバのスペック不足だとします。(ユーザ数増加やトラフィック増加などの原因かな)
そして、はてな側もサーバの過負荷の問題を認識しているケースです。
その場合は、アプリケーション側でパフォーマンスチューニングをするか、ハードのスペック自体を上げるか等の選択になるのですが、いずれの場合もお金がかかります。
実際は、ハードのスペックを上げるのは、現在のサーバの考え方からするとすぐにできるはずです。(現在のサーバはあらかじめCPUやメモリを余分に搭載していて、必要な時に有効化することで突発負荷に対応できるようになっている場合がほとんど)しかし、スペック増強に伴い、はてな側からサーバメーカへ支払う月額利用料が増加してしまいます。つまり、はてな側の収益を圧迫してしまうということです。
「ブログサービスの停止というクリティカルな問題が発生していない以上、サーバのスペック増強はしない」
というのもビジネス上、一つの選択です。しかし、この仮説が事実だった場合、顧客の信頼を損ねてしまいます。ただ、そこまで気にする顧客は少ないため、一部顧客を切り捨て「嫌ならレンタルサーバとWordpressでどうぞ」という割り切っているのかもしれません。
結論:そんな難しい質問ではないのではてなさんお願いします
繰り返しになりますが、僕の求めている回答は「サーバに過負荷があったのか?なかったのか?」の一点だけです。
正直、このレベルの調査ならインフラエンジニア一年生でも十分に対応できます。お忙しいとは思いますが、はてなさん、よろしくお願いします。
ダメならサーバログを開示してもらえれば、僕が調べますよ?まぁ機密情報のサーバログを開示するわけないでしょうけどね。
それにしてもインフラエンジニアって、100点取らないと許されないという報われない職種なんですよ。僕もインフラエンジニアやってた時は夜中の2時、3時に電話で起こされて呼び出し食らうこともありました。
もうちょっと業界を上げてエンジニアの待遇を良くしてもらいたいところです。
<--2018年5月30日追記-->
以前、自動広告は非表示のままです。しかし、ようやくはてな運営側から問い合わせに対する回答がありましたので転載いたします。
これで切り分けは多少前に進みます。
詳細情報をお知らせいただきましてありがとうございました。
はてなブログのサーバに対する過負荷は検知できておりませんが、
引き続き調査を行っておりますので、今しばらくお待ちいただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。